亀崎プロフィール

亀崎 直樹

亀崎 直樹 (かめざき なおき)

岡山理科大学生物地球学部教授
神戸市立須磨海浜水族園学術研究統括
亀崎 直樹(博士)

1956年愛知県豊橋市生まれ。父親が転勤族だったため、大阪府堺市、大分市、大阪府枚方市などを点々とする。幼い頃から魚を採ったり飼育することが好きで、高校卒業後は鹿児島大学水産学部に進学する。大学時代は焼酎とスノーケリングに親しみ、卒論では魚の初期餌料にもちいるシオミズツボワムシの脂質に関して研究する。

大学卒業後、名古屋鉄道株式会社に就職し、水族館(南知多ビーチランド)の設立に携わる。南知多ビーチランドではイルカや魚類を担当するが、1981年、知多半島で産卵したアカウミガメの卵から、アカウミガメとタイマイの雑種が生まれてきたことからウミガメ類の系統学に興味をもつ。その後、沖縄県八重山諸島黒島にある八重山海中公園研究所(現、日本ウミガメ協議会付属黒島研究所)に出向し、4年間赤瓦の家に住んで、ウミガメやサンゴ礁生物の研究と島の生活に没頭する。

1987年、ついに辞令が出て会社に戻ることになったが、普通の暮らしに戻ることができず名古屋鉄道を退職、京都大学理学部の研修員を経て、同大学院人間・環境学研究科に入学する。カエルの松井正文博士の厳しい指導を受けながら大学院に通い、1996年、日本産ウミガメ類について様々な角度から研究し学位取得する。その間、経済的には困窮をきわめていたが、日本動物植物専門学校や河合塾で教鞭をとり食いつなぐ。特に、私の一家と研究を支えてくれた河合塾には感謝している。

ウミガメのことを知るために大学院で研究は行ったものの、動物の実際の姿を知るには研究者の研究のみでは不可能なことを実感。黒島で経験したような生活に根差した自然な観察記録の集積が重要と、田舎にすんでいる人たちがウミガメに関するデータを持ち寄る場を作ろうと考えた。1990年、当時小笠原海洋センターの菅沼弘行氏らと日本ウミガメ協議会を組織し、毎年、日本ウミガメ会議を開催する。1990年から2014年までその日本ウミガメ協議会の会長を務める。この間に日本のウミガメ類に関する情報はかなり集められ、産卵場所の分布や産卵回数の変動については、世界でも極めて正確なデータを得ることができた。また、このネットワークから得られる情報に基づいて、多くの学生や研究者がウミガメの研究で成果をあげることができた。
2002年から2014年まで東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻で客員准教授(2013年から客員教授)を務め、その間、石原孝、岡本慶の両氏に博士論文、そのほか6名に修士論文の指導を行った。

2010年、神戸市立須磨海浜水族園の園長に就任する。園長になり、淡水性のカメ類、イルカを用いた介在活動、飼育動物の福祉などの研究も部下を指導する形で始める。特に、ミシシッピアカミミガメが日本の川や池の生態系を大きく変化させていることに懸念を抱きその実態把握を行う研究を始めた。2014年に岡山理科大学生物地球学部の教授に就任し、淡水魚の宝庫と言われている岡山の淡水域でカメの調査を開始した。須磨水族園の園長は退任したが、現在でも学術研究統括として研究を指導している。

その他の役職として、IUCN(国際自然保護連合)ウミガメ専門委員、米国海洋大気局西部太平洋漁業管理委員会ウミガメ専門委員、財団法人黒潮生物研究財団理事、日本両棲爬虫類学会評議員、国のアカミミガメ対策検討ワーキンググループ検討委員などをつとめる。主著に「イルカとウミガメ」(岩波書店)、「現代を生きるための生物学の基礎」(化学同人)、「ウミガメの自然誌 産卵と回遊の生物学」(東京大学出版会)などがある。